Salesforce の競合と代替を型で比較:高いと感じたときの判断の順番

このページには広告リンクを含みます。

Salesforce の競合は4つの型で見る

CRM は、顧客と商談の情報を扱う点では同じでも、作りの考え方が異なります。編集部は次の4つの型に分けて見ています。型の分け方は編集部の整理で、各社の公式の分類ではありません。

CRM を4つの型に分けた図で、基盤型、オールインワン型、国産の営業支援型、業務アプリ基盤型に製品を並べる
Salesforce の代替は、製品名ではなく4つの型で見る

下の表は、各社の公式ページで確かめた表示価格です。確認日は2026年11月1日で、現在の価格は公式で確認してください。右端の列は編集部の整理です。

型 製品 表示価格(1ユーザー月額) 契約と条件 候補になる条件
基準 Salesforce Sales Cloud Starter Suite 3,000円、Pro Suite 12,000円、Core 23,400円、Advanced 47,400円、Max 66,000円 Starter Suite は月払いか年払い、ほかは年間契約。Starter Suite と Pro Suite は営業以外も含むスイート。円の金額に税込・税抜の記載なし 現在の比較の基準
基盤型 Dynamics 365 Sales Professional 9,745円、Enterprise 15,742円、Premium 22,488円 年払いの月額相当。消費税は含まない。表示は参考で、実際の価格は購入時に適用 Microsoft 365 と Teams が業務の中心で、拡張も続ける
オールインワン型 HubSpot Sales Hub Starter $20、Professional $100、Enterprise $150 米ドル、税別。カタログの席の単価。Professional と Enterprise は初回の導入費が必須。料金ページの初期表示は Starter $7(割引は新規顧客のみ)、Professional $90 マーケティングから営業までを1つにまとめたい
オールインワン型 Zoho CRM スタンダード 1,760円、プロフェッショナル 3,260円、エンタープライズ 5,660円、アルティメット 7,360円 税抜。年間契約の月額換算。月間契約は 2,520円、4,960円、7,080円、9,200円。初期費用は無料 予算の上限が厳しく、機能はプランで選ぶ
国産の営業支援型 eセールスマネージャー Basic 3,500円、Professional 6,000円、Enterprise 12,500円、Unlimited 25,000円 税別。Basic は5〜30名、ほかは5名から。初期費用は料金ページに記載なし 営業の案件管理が中心で、定着の支援も重視する
国産の営業支援型 GENIEE SFA/CRM スタンダード 3,450円、プロ 9,000円、エンタープライズ 12,000円、プレミアム 32,000円 税抜。最低利用期間1年。最低ID数は料金ページに記載なし 営業の管理が中心で、連携やカスタムオブジェクトの枠を数字で比べたい
国産の営業支援型 Mazrica Sales Starter 6,500円、Growth 12,500円、Unlimited 18,500円 税抜。10IDから。年間一括の銀行振込。最低月額は 70,000円、130,000円、190,000円(10ID分に組織単位の Mazrica Sales Agent 5,000円を足した額)。初期費用は無料 営業の案件管理が中心で、年間契約でよい
業務アプリ基盤型 kintone ライト 1,000円、スタンダード 1,800円、ワイド 3,000円 税抜。ライトとスタンダードは10ユーザー、ワイドは1,000ユーザーから。単月か単年(単年は月額の12か月分)。初期費用は無料 営業以外の業務アプリも現場で作りたい

金額だけで順位をつけないでください。含まれる機能に加えて、年払いと月払い、税の表示、通貨、最低の人数がそろっていません。eセールスマネージャーの有料オプションのように、料金ページに金額が載っていないものもあります。HubSpot は日本語の料金ページの円の金額を確かめられなかったため、米ドルで書いています。料金ページの金額と支払い方の対応も確定できなかったので、カタログの席の単価を載せています。

型ごとの候補になる条件

基盤型:Dynamics 365 Sales

CRM を業務の基盤として広げていく場合の型です。Dynamics 365 Sales は Microsoft Dataverse の上で動き、Power Apps と Power Automate で拡張します。料金ページの注記では、どちらも追加のライセンスが必要です。Outlook と Teams との連携も公式に案内されています。

候補になるのは、Microsoft 365 が業務の中心にあり、Power Platform を社内で扱える場合です。Sales Professional が扱えるエンティティは Sales Enterprise の一部で、カスタマイズと自動化は制限付きと比較表に書かれています。安いプランで足りるかは要件で確かめます。

オールインワン型:HubSpot と Zoho CRM

HubSpot は Sales Hub を CRM の上に載せる形です。注意する点は2つあります。Professional には $1,500、Enterprise には $3,500 の初回の導入費が必須です。表の Professional と Enterprise の金額は Sales Seat の単価で、カタログの Core Seat($50、$75)では Sales Hub の機能をすべては使えません。カスタムオブジェクトには Enterprise が必要です。Salesforce でカスタムオブジェクトを多く使っている会社は、ここを最初に確かめます。比較の続きは Salesforce と HubSpot の比較記事 で扱います。

Zoho CRM は、機能をプランで分けています。ワークフローはスタンダードから、Webhook はプロフェッショナルから、承認プロセスとサンドボックスはエンタープライズからです。安いプランで見積もると、承認が要件にあるときに足りません。なお公式の機能表は米国版の翻訳で、日本のデータセンターでは差が出ることがあると注記されています。契約の前に評価版で確かめてください。

国産の営業支援型:eセールスマネージャー、GENIEE SFA/CRM、Mazrica Sales

営業の案件管理を中心に使う場合の候補です。プランごとの差は、製品によって見る場所が違います。

  • eセールスマネージャー:他システム連携は Enterprise の説明に書かれています。ワークフローなどは有料オプションです。
  • GENIEE SFA/CRM:カスタムオブジェクトは 10個、50個、100個、100個です。API はスタンダードになく、プロは1日15万回、エンタープライズ以上は30万回です。
  • Mazrica Sales:カスタムオブジェクトは Growth からです。期間中にユーザー数を減らせず、支払い済みの料金は返金されないと FAQ に書かれています。

基幹システムとの連携がある会社は、一番安いプランでは足りないことがあります。必要なプランを決めてから金額を比べましょう。席の削減や返金の条件は Mazrica Sales の FAQ で確かめたもので、ほかの製品は料金ページで確かめていません。各社に同じ質問をしてください。

業務アプリ基盤型:kintone

kintone は業務アプリを作る基盤です。料金は1ユーザー単位で、コースの差はアプリ数やスペース数などで示されています。アプリはライト200個、スタンダード1,000個、ワイド3,000個です。外部サービス連携とプラグインはスタンダードからです。API はライトの欄に値がなく、スタンダードで1アプリあたり1日1万回、ワイドで10万回です。

候補になるのは、営業以外の業務も現場で作りたい場合です。商談の管理もアプリとして用意するので、作る手間も含めて比べてください。比較の続きは Salesforce と kintone の比較記事 で扱います。

Salesforce が高いと感じる原因を分ける

Salesforce が高いと感じる原因を、ライセンス、導入支援、管理者の人件費、使っていない席、上位エディションへの移行の5つに分けた図
「高い」の中身は5つに分けて見る
原因 確かめること 乗り換えると消えるか
ライセンス エディションの単価と席の数 単価は変わる。席の数の問題は残る
導入支援 初期の構築と、毎年の保守の委託費 移行先の構築で新たに発生する
管理者の人件費 設定変更とデータ整備にかかる時間 どの CRM でも管理の仕事は残る
使っていない席 ログインのない人、役割が合わない人 整理しないと移行先でも同じことが起きる
上位エディションへの移行 どの機能のために上げるのか 移行先でも上位プランの壁はある

表の右の列は編集部の見方です。この表で右の列が「残る」と分かった原因は、製品を替える前に片づけられます。

料金を下げる判断

下げる判断は、機能を大きく変えずにできるものから順に行います。

席の見直し

まず、席の数を実際の利用と突き合わせます。ここで公式ヘルプの仕様を2つ押さえます。

  • ユーザーを凍結しても、ライセンスは空かない。空けるには無効化する。
  • ユーザーを無効化すると、その枠は利用できるライセンスに戻る。ただし請求されるライセンス数は減らない。請求を変えるには、組織のライセンス数を変える。

つまり、退職者を無効化しただけでは翌月の請求は下がりません。ライセンス数を減らせる時期は契約によるので、契約書を読み、担当の営業に確かめてください。

減らせた場合の効果は単純に計算できます。Core の表示価格で5席を減らすと、23,400円 × 5席 × 12か月で年140万4,000円です。見積の値引きがあれば実際の金額は変わります。

独自アプリだけを使う人は、エディションとライセンスの記事で紹介した Platform ライセンスが候補です。ただし使えるオブジェクトが変わるので、プロファイルと権限セットの記事を見ながら設計してください。

エディションの見直し

上のエディションが本当に要るかを、機能の単位で確かめます。Pro Suite と Core の差は1ユーザー月額11,400円で、30人なら年410万4,000円です。承認プロセスは Core からで、API は Core 以上に標準で含まれます。Pro Suite は Flow が組織で5つまでで、API は1ユーザー月額25米ドル(税抜)の追加です。差額には機能だけでなく、Core に含まれる Slack ビジネスプラスや Premier Success Plan の分もあります。

Core へ上げる話が出ているなら、理由の機能を1つずつ書き出します。承認も連携も使わず、Slack ビジネスプラスや Premier Success Plan も要らないなら、Pro Suite で足りるかもしれません。逆に、すでに使っている機能があれば下げられません。契約途中でエディションを下げられるかどうかも、契約書と営業担当で確かめます。

乗り換えを検討する条件

席の見直し、エディションの見直しの順に料金を下げ、それでも業務に合わないときに乗り換えを検討する流れ図
下げる判断を先に済ませてから、乗り換えを考える

編集部のおすすめは、次のどれかに当てはまるときに乗り換えを比べることです。

  1. 使う機能に対して単価が合わない。席とエディションを見直しても、使う機能の割に費用が大きい。
  2. 管理する人を確保できない。今の設定を保守する人がいない。ただし移行先でも管理者は要る。
  3. 会社の基盤が別にある。Microsoft 365 中心なら Dynamics 365 Sales、現場のアプリ作りが中心なら kintone のように、型が合う製品がある。

どれにも当てはまらなければ、編集部は Salesforce を続ける案を先に検討します。連携が多い、カスタムオブジェクトやフローが多い、共有の設計が複雑という組織は、乗り換えの費用が大きくなりやすいと見ています。新しいライセンスの差額だけでなく、作り直しの費用も含めて比べてください。

乗り換えるときの注意

項目 確かめること 先にやること
データ移行 出せる形式、添付ファイル、履歴の扱い 項目の対応表を作り、不要な項目を捨てる
カスタムオブジェクト 移行先のプランで同じ数を作れるか オブジェクトと参照関係の一覧を作る
フロー、Apex 移行先の自動化で同じ動きを作れるか 動いている自動化を棚卸しする
連携 API の回数の上限、接続先の対応 接続先ごとに作り直しの範囲を決める
権限と共有 移行先の権限の単位 誰が何を見られるかの要件を書き出す
契約期間 更新の時期、解約の通知の期限 自社の契約書で確かめる

データの出し方は公式ヘルプにあります。Salesforce のデータのエクスポートは CSV で、週次か月次かはエディションで変わります(ヘルプは旧名の表記です)。数式項目と積み上げ集計項目はエクスポートに含まれません。件数が多ければ データローダの記事 の手順も使えます。連携の整理には 外部連携パターンの記事 が役立ちます。

契約の条件は会社と製品で異なります。自動更新の有無、解約の通知の期限、契約終了後にデータを取り出せる期間は、一般論で判断せず、契約書で確かめてください。移行先の最低利用期間も見ておきましょう。GENIEE SFA/CRM と Mazrica Sales は最低1年、kintone は単月の契約も選べます。

検討の次の一歩

比較を始める前に、導入のストーリーで Salesforce の全体の流れを見ておくと、何を比べるかが決めやすくなります。エディションごとの差はエディションとライセンスの記事にまとめました。設計の全体は設計ガイドから読めます。

よくある質問

Salesforce の競合にはどんな製品がありますか?
Salesforce の競合は型で分けると整理できます。基盤型の Dynamics 365 Sales、オールインワン型の HubSpot と Zoho CRM、国産の営業支援型の eセールスマネージャー、GENIEE SFA/CRM、Mazrica Sales、業務アプリ基盤型の kintone などです。
Salesforce が高いときは、まず何をすればよいですか?
Salesforce の費用をライセンス、導入支援、管理者の人件費、使っていない席、上位エディションへの移行に分けて見ます。乗り換えの前に、席の数とエディションを見直します。
Salesforce のユーザーを無効化すると料金は下がりますか?
無効化だけでは Salesforce の請求額は下がりません。公式ヘルプによると、無効化しても請求されるライセンス数は変わらず、請求を変えるには組織のライセンス数を変える必要があります。
Salesforce の代替へ乗り換えるときの注意点は何ですか?
Salesforce のデータは CSV で出せますが、カスタムオブジェクト、フロー、連携は移行先の仕組みに合わせて設計し直す前提で見積もります。契約の終わる時期と席を減らせる時期は、自社の契約書で確かめます。