Salesforce 最新リリースのまとめ:Winter '27 で対応が要る変更と Agentforce の位置づけ
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年3回のリリースサイクル
Salesforce のリリースは年3回です。Spring が2月ごろ、Summer が6月ごろ、Winter が10月ごろに届きます。一部の製品は月次でも更新されます。

本番の前には Sandbox Preview の期間があり、Sandbox だけ新しい版に上がります。公式のヘルプでは、Winter ’27 の期間は約6週間です。どの Sandbox が上がるかはインスタンスで決まるので、切り分けの日より前に確かめます。Winter ’27 では次のような日程でした。
| 段階 | Winter ’27 の日程 |
|---|---|
| Sandbox の切り分けの期限 | 2026年8月27日 |
| プレビュー環境の更新 | 2026年8月28日、29日 |
| 非プレビュー環境の更新 | 2026年10月9日、10日 |
| 一般提供(公式ニュース) | 2026年10月12日 |
日程の正は Salesforce Trust の Maintenances タブです。Spring ’27 の日程は、公開の資料で確かめられなかったのでここには書きません。Trust で確かめてください。
Winter ’27 で対応が要る変更
公式の資料の中から、編集部が「多くの組織に関係し、放置すると止まるか、見え方が変わる」という基準で選びました。期限の順に並べます。

| 期限 | 変更 | 影響 | やること |
|---|---|---|---|
| Winter ’27 | Profile Filtering の適用 | 自分以外のプロファイル名は View All Profiles 権限がないと見えない | 必要な人へ権限を付ける。プロファイル名を参照する Apex、Flow、連携を試す |
| 2026年11月4日 | 本番の Refresh token が30日未使用で失効 | 月に1回も動かない連携が止まる | 頻度の低い連携を洗い出す |
| 2026年11月30日 | OAuth Device Flow の制限 | localhost のコールバック URL を持つローカルの外部クライアントアプリだけで使える。接続アプリケーションでは使えなくなる | 使っている連携を棚卸しし、External Client App へ移す |
| 2026年12月1日 | メール検証の例外の扱い | サポートに依頼してメール検証を無効にしていた組織は、その例外が消える | Authorized Email Domains で例外を設定し直す |
| 2026年12月1日 | SOAP の login() に Use Any API Auth 権限が必要 | 権限のないユーザーは login() で認証できない | 該当ユーザーへ権限を付け、Release Updates で試す |
| 2027年2月20日 | username-password(接続アプリケーション)、user-agent、hybrid user-agent の各フローの廃止 | これらで認証する連携が止まる | 別の認証方式へ移す |
| Spring ’27 | Salesforce to Salesforce の廃止 | 組織間の連携が動かなくなる | 代わりの連携を設計する |
| Spring ’27 | Salesforce Connect のクロス組織アダプタの旧認証 | 指定ログイン情報への移行が要る | 認証情報の持ち方を見直す |
| Summer ’27 | 接続アプリケーションのサポート終了 | 動作は続くが、不具合の修正や認証フローの支援がなくなる | External Client App へ移す |
| Summer ’27 | SOAP の login() を API 31.0〜64.0 で廃止 | 古い連携の認証が止まる | 外部クライアントアプリの OAuth へ移す |
| Summer ’27 | SOAP、REST、Bulk の API 31.0〜40.0 が非推奨に | 修正の提供が止まり、Summer ’28 に呼び出しが失敗する | 古いバージョンを指定している連携を探して上げる |
Refresh token から始める
最初の期限は11月4日です。この期限は使われていない期間で決まるので、毎日動く連携は心配が少ない変更です。危ないのは、四半期に1回の集計や、年度末だけのバッチです。止まって初めて気づくので、一覧を作ってください。
Flow と共有の変更
止まる話ではありませんが、管理者が知っておきたい変更もあります。
- Flow のレコードロックの自動再試行:トランザクションの初期化時にロックのエラーが起きると、10秒待って再試行します。同時更新の失敗が減る一方、動きを追うときは再試行があることを頭に置きます。
- 一括クイックアクションから画面フロー:リストビューや関連リストで選んだレコードの ID をまとめて画面フローへ渡せます。ボタン用の小さな開発を置き換えられることがあります。
- 所有者変更で手動共有を残す設定:共有設定に Keep manual shares のチェックが増えました。今まで所有者の変更で手動共有が消えることを、権限を外す手段として使っていた組織は、設定の前に業務を確かめます。共有の基本は共有モデルの記事にあります。
- Flow の API バージョン:Flow の API バージョンを 68.0 へ上げるときは、リリースノートで動きの変更を確かめてください。動く順番は実行順序の記事、組み方は Flow の一括処理の記事が参考になります。
- Apex のヒープ上限の引き上げ:同期は 6MB から 10MB へ、非同期は 12MB から 25MB へ増えました。
各変更の適用条件はエディションや機能で違います。自組織の Release Updates の画面で確かめてください。
Agentforce とは
Agentforce は、公式によれば、質問に答えたり業務の操作を実行したりする自律型の AI アプリケーションです。LLM と自社の業務データをもとに、次の手順を考えて進めます。
主な要素は次のとおりです。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| Agentforce Builder(Agent Builder) | エージェントの動作をローコードで設定する |
| Atlas Reasoning Engine | 依頼を小さな作業に分け、手順を組み立てる |
| Flow、Apex、プロンプト | エージェントが実行できる操作を作る |
| Data 360 | 社外のデータも含めて回答の土台を作る |
既存の Flow や Apex は、エージェントの操作として再利用できます。Flow を整えておくことは、エージェント導入の準備にもなるわけです。
料金は Flex Credits、会話数(Conversations)、ユーザー単位といった形があります。上位のエディションには Flex Credits が含まれます。詳しくはエディションとライセンスの記事にまとめました。
Einstein Copilot との関係
名前の変遷を整理します。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 2024年4月 | Einstein Copilot が一般提供 |
| 2024年9月 | Agentforce を発表 |
| 2025年1月〜 | Einstein Copilot for Salesforce というエージェントの種類が Agentforce に改名。機能は同じ |
設定画面では Agentforce、または Agentforce (Default) と表示されます。古い記事で Einstein Copilot と書かれていたら、今の Agentforce の従業員向けの機能のことと読み替えてください。
Data 360(旧 Data Cloud)との関係
Data Cloud は2025年10月14日に Data 360 へ改名されました。機能は変わっていません。
Agentforce との関係は2段階で考えます。
- 有効化は必須:Trailhead の説明では、Agentforce Data Library や Einstein Trust Layer が Data 360 に依存するため、Agentforce を使うには有効化が必要です。
- 実装は目的に応じて:データソースをつなぎ、データモデルに対応づけると、統合された顧客のプロファイル、独自の RAG、Zero Copy での社外データの参照が使えます。
つまり「Agentforce を試す」だけなら大規模なデータ基盤は要りません。一方、基幹システムの情報を踏まえて答えさせたいなら、Data 360 の実装が検討の対象になります。
リリースを追うときの手順
毎回の作業を次の形に決めると、続けやすくなります。
- Trust で Sandbox Preview の日程を確かめる。
- Release Updates を開き、期限のあるものを一覧にする。
- 連携の担当者へ、認証に関する変更を渡す。
- Preview の Sandbox で重要な Flow と Apex のテストを動かす。
- 本番の更新の後に、主要な業務を確かめる。
このページは新しいリリースごとに更新します。資格の更新との関係は認定資格の維持の記事を読んでください。
よくある質問
- Salesforce の最新リリースは何ですか?
- 2026年10月31日時点の Salesforce の最新リリースは Winter '27 で、API のバージョンは 68.0 です。公式の発表では 2026年10月12日に一般提供となっています。
- Salesforce のリリースは年に何回ありますか?
- Salesforce のリリースは年3回で、Spring が2月ごろ、Summer が6月ごろ、Winter が10月ごろです。日程は Salesforce Trust の Maintenances タブで確かめられます。
- Agentforce とは何ですか?
- Agentforce は、自社のデータと生成 AI をもとに、質問への回答や業務の実行を自律的に進める Salesforce の AI エージェントの製品です。Agentforce Builder で動作を設定します。
- Einstein Copilot と Agentforce の違いは何ですか?
- Einstein Copilot for Salesforce というエージェントの種類は、2025年1月から Agentforce という名前に変わりました。機能は同じと公式の注記にあります。
- Data Cloud と Data 360 は別の製品ですか?
- 別の製品ではありません。Data Cloud は2025年10月14日に Data 360 へ改名され、機能や内容は変わらないと公式は説明しています。
